「萩原重化学工業連続殺人事件」 浦賀和宏 2009-049 | 流石奇屋~書評の間

「萩原重化学工業連続殺人事件」 浦賀和宏 2009-049

浦賀和宏氏「萩原重化学工業連続殺人事件」読了しました。

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萩原重化学工業連続殺人事件 (講談社ノベルス)/浦賀 和宏
¥1,575
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出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2009/06
著者/編者
浦賀和宏
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
「脳」を失った死体が語る、密室の不可能犯罪!双子の兄弟、零と一の前に現れた、不死身の少女・祥子と、何もかもを見通す謎の家政婦。彼らが信じていた世界は、事件に巻き込まれる内に音を立てて崩壊していき…。脳のない死体の意味とは!?世界を俯瞰する謎の男女と、すべての事件の鍵を握る“萩原重化学工業”の正体とは!?浦賀和宏の最高傑作ミステリが世界の常識を打ち破る。<<Amazonより抜粋>>


知らずに読んでいましたが、安藤シリーズなのですね。
安藤シリーズ好きでした。
それにしても、時間が経ちすぎで、どんな感じが忘れてしまいました。

とにもかくにも安藤シリーズです。
厳密には安藤は出てませんが、安藤シリーズの世界観の中の物語ですね。

で、本作。


相変わらずです。
氏の作品としては、がっつり雰囲気のある物語です。
八木剛士シリーズが、どちらかと言えば「内面」の世界=独り言の世界であるに比して、こちらは、ちゃんと外世界とコミットメントしています。
ただ、発想が「セカイ系」なのですね。
だから、読み手の深層の部分をちょっと抉ってきます。

このあたりの微妙なところが良いですね。


萩原重化学工業というとてつもない背景の中で、それこそ「とんでもない世界」の中で、語られるのは「母子の愛」だったりするのですね。

今後があるとしたら、それはそれで面白そうです。