「幕末裏返史」 清水義範 2009-051
清水義範氏「幕末裏返史」読了しました。
タイトルの通り、幕末の史実を裏返してしまった作品。
本書の主人公はアナトール・シオンは架空の人物。
この日本ひいきのフランス人が、日本の幕末にあったいくつかの事件に関与し、そこを裏返していくことで、裏の幕末史をつむぎだします。
なんというか、パスティーシュ作品を得意とする氏が、その対象を「作品」ではなく「史実」としてしまったのが面白いのですね。
多少なりと「歴史」を知っている読み手なら、「なるほどね、そうくるか」と思います。
ラストの「大統領選挙」ってのが圧巻。
候補者が、気持ちよいくらいの空想です。
是非幕末好きでいたずら好きなら、一読ください。
amazonリンク |
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出版元 |
集英社 |
初版刊行年月 |
2008/09 |
著者/編者 |
清水義範 |
総評 |
21点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:4点 読了感:3点 ぐいぐい:4点 キャラ立ち:3点 意外性:4点 装丁:3点 |
あらすじ |
大の日本贔屓のフランス人、アナトール・シオン。国禁を犯して海を越え、憧れの日本にやってきた。時は幕末、開国前夜。彼は「愛する日本」のため、幕府の知恵袋となる。昼は盛装して天皇に拝謁、夜は頭巾を被って尊王の志士を助けたり、と大活躍。その働きが運命の歯車に不思議に作用し、ついに日本の歴史が「ひっくり返る」瞬間が。 <<Amazonより抜粋>> |
タイトルの通り、幕末の史実を裏返してしまった作品。
本書の主人公はアナトール・シオンは架空の人物。
この日本ひいきのフランス人が、日本の幕末にあったいくつかの事件に関与し、そこを裏返していくことで、裏の幕末史をつむぎだします。
なんというか、パスティーシュ作品を得意とする氏が、その対象を「作品」ではなく「史実」としてしまったのが面白いのですね。
多少なりと「歴史」を知っている読み手なら、「なるほどね、そうくるか」と思います。
ラストの「大統領選挙」ってのが圧巻。
候補者が、気持ちよいくらいの空想です。
是非幕末好きでいたずら好きなら、一読ください。