「B/W完全犯罪研究会」 清涼院流水 2009-052 | 流石奇屋~書評の間

「B/W完全犯罪研究会」 清涼院流水 2009-052

清涼院流水氏「B/W完全犯罪研究会」読了しました。 

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B/W(ブラック オア ホワイト) 完全犯罪研究会/清涼院流水
¥1,575
Amazon.co.jp
出版元
太田出版
初版刊行年月
2009/06
著者/編者
清涼院流水
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:2点 
読了感:2点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
3年連続でそれぞれ異なる殺人鬼に生命を狙われ「日本の犯罪史上もっとも有名な被害者」となった天見仄香は、現在、警視庁の犯罪被害者支援室に勤務している。未解決事件の再捜査の必要性を市民代表が審議する試験制度に参加し、自らの運命を揺さぶる「疑惑の少年」真壁巧と出会う仄香。真壁の周囲では、これまで両親や同級生など221件もの人間消失事件が起きていた。真壁巧は、はたしてクロかシロか?そして、仄香に迫る4度めの危機―。神の死を叫んだ哲学者が、現代社会に巨大な幻影を落とす。<<Amazonより抜粋>>


主人公仄香の設定は良いです。
3年連続で殺人鬼に命を狙われた史上最も有名な被害者であり、警視庁の被害者支援室に勤務している。

この設定だけで、いくつかの物語ができそうですし彼女の精神をゆがみのようなものにスポットをあてた内的な物語もできます。

もう1人の主人公格である真壁巧。
彼の過去も非常に興味深い設定でした。
彼のまわりの人間が221名消えている。
被害者であるべき彼だけが何故か毎回消えないでいる。

この大いなる謎自体も非常に興味深い素材です。

で、本書。

これだけの設定の良いキャラクターを配置しておきながら、残念ながらそこそこの面白さ

なんでだろうなと思ったのですけど、要するにタイトルにある「完全犯罪研究会(本書上は検討会)」の設置そのものがぴんとこなかったのでしょうね。

実はこの「完全犯罪研究会」自体も、連載できるくらいの設定なのですが、どうやらそれぞれを良いところを打ち消してしまったような気がしてなりません。

特に仄香は、その設定がとても良かっただけにちょっと残念でした。