2009/5/9に借りた本
ついこの間までは梅雨のような大雨だったわけですが、この土日は暑かった。
そんな暑かった5月9日。予約本1冊を含む7冊の借り出しです。
題名 |
青酸クリームソーダ <鏡家サーガ>入門編 |
読了可能性 |
★★★★☆ |
出版元 |
講談社ノベルズ |
初版刊行年月 |
2009/02 |
著者/編者 |
佐藤友哉 |
読前感想 |
予約本です。佐藤氏の新刊が講談社ノベルズで読めるという事自体、感慨深いのだと思います。しかも鏡家。楽しみです。 |
読後感想リンク |
題名 |
ギフト |
読了可能性 |
★★★★☆ |
出版元 |
双葉社 |
初版刊行年月 |
2008/06 |
著者/編者 |
日明恩 |
読前感想 |
タチモリメグミさんです。新刊本コーナーにありました。 |
読後感想リンク |
題名 |
清談 佛々堂先生 わらしべ長者、あるいは恋 |
読了可能性 |
★★★☆☆ |
出版元 |
講談社 |
初版刊行年月 |
2008/11 |
著者/編者 |
服部真澄 |
読前感想 |
エクサバイトの服部氏。どういう内容かは分かりませんが、こういう雰囲気を持った本もかかれるのですね。と意外なので借りてみました。 |
読後感想リンク |
題名 |
夕子ちゃんの近道 |
読了可能性 |
★★★☆☆ |
出版元 |
新潮社 |
初版刊行年月 |
2006/04 |
著者/編者 |
長嶋有 |
読前感想 |
連続です。長嶋氏。 |
読後感想リンク |
題名 |
土方歳三 修羅となりて北へ |
読了可能性 |
★★★☆☆ |
出版元 |
学研 |
初版刊行年月 |
2002/04 |
著者/編者 |
岳真也 |
読前感想 |
前回の借り出しの頃から気になっていたのですが、やっぱり借りました。年に2回は幕末ものを読みたくなったりします。 |
読後感想リンク |
題名 |
西の魔女が死んだ |
読了可能性 |
★★☆☆☆ |
出版元 |
新潮文庫 |
初版刊行年月 |
2008/06 |
著者/編者 |
梨木香歩 |
読前感想 |
出歩き用の文庫本です。映画化されてますね。 |
読後感想リンク |
題名 |
会社の品格 |
読了可能性 |
★★☆☆☆ |
出版元 |
幻冬舎新書 |
初版刊行年月 |
2007/09 |
著者/編者 |
小笹芳央 |
読前感想 |
会社用。たぶん2回目です。 |
読後感想リンク |
「償い」 矢口敦子 2009-038
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出版元 |
幻冬舎文庫 |
初版刊行年月 |
2001/08 |
著者/編者 |
矢口敦子 |
総評 |
20点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:3点 読了感:3点 ぐいぐい:3点 キャラ立ち:4点 意外性:4点 装丁:3点 |
あらすじ |
36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが…。絶望を抱えて生きる二人の魂が救われることはあるのか?感動の長篇ミステリ。<<Amazonより抜粋>> |
GW中にちょっと電車を使って観光したのですが、その往復で読みきりました。
あらすじの通りの展開です。
個人的な本書の面白さは、事件の顛末そのものよりも主人公・日高の生き様だったりしたのです。
なので、メインストリームは、「事件」とか「少年」とか「過去」とかなのかと思いますが、前述の「生き様=現在」という要素が加わってしまったところから、やや「お腹一杯」なところも否めませんでした。
どうにもこうにも詰め込みすぎ。
それでいて、短絡すぎなところもありました。
要所要所は悪くないのですが、全体のバランスとしては、消化不良になってしまいそうです。
例えば「日高の過去」とかって、そんなにヒューチャーしなくても良かったんじゃないのと思います。
「泣かない女はいない」 長嶋有 2009-037
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出版元 |
河出書房新社 |
初版刊行年月 |
2005/06 |
著者/編者 |
長嶋有 |
総評 |
19点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:3点 読了感:3点 ぐいぐい:4点 キャラ立ち:3点 意外性:3点 装丁:3点 |
あらすじ |
ごめんねといってはいけないと思った。「ごめんね」でも、いってしまった。――恋をめぐる心のふしぎを描く、長嶋有自信作。角田光代・堀込高樹(キリンジ)両氏絶賛!「センスなし」併録。 <<Amazonより抜粋>> |
主人公の通う会社の周りというのが、その昔、仕事で行った埼玉のとある場所に印象が似ていました。
それだけ背景がイメージしやすかったということなのかと思います。
氏の描く作品は「絵画」のようであると感じるのです。
ストーリーは淡々と会社生活を過ごす中で、「自分」という存在を少しずつ明らかにしていくといった物語であり、それ以上のものではありません。
ただ前述した「絵画を楽しむ」と言う点においては、氏の作品は非常に優れていると思います。
静かで、平凡で、それでいて染み入る作品です。
「センスなし」も、タイトルに似合わず、センスのある文体で、さらっと読ませてもらいました。
これまた、淡々と冷めきった旦那のビデオを返しに行くという作品であり、それ以上ではありませんが、やっぱり、絵画の世界なのです。
4月のアーカイヴを4月30日23時59分で、今リリースしました。
4月のアーカイヴを4月30日23時59分で、今リリースしました。
ということで、下記URLでございますです。
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10252860822.html
2009年4月の読後感想アーカイブ
◆今月のアクセスランキング
[総合ランキング]
デイリー : 17350位
月間 : 14963位
[ジャンルランキング]
アラフォー : 203位
本・読書 : 83位
◆検索ワードTOP10
1 書評 6.8%
2 あらすじ 4.4%
3 感想 3.5%
4 伊坂幸太郎 3.1%
5 ストーリーセラー 2.7%
6 乾くるみ 2.4%
7 ネタバレ 1.9%
8 万城目学 1.6%
9 砂漠 1.6%
10 道尾秀介 1.3%
◆2009年4月のランキング
結構読んだかなと思いましたが、10冊。
これでもハイペースのつもりだったので、去年までのペースはまったく忘れてしまいました。
年間100冊、いかないかも知れませんね。
ま、いいですけども。
ということで4月の第1位は「プリンセス・トヨトミ」。
なかなかのエンターテイメントでした。
第1位;「プリンセス・トヨトミ」 万城目学
;エンターテイメント小説;2009年04月08日(水) 21時36分56秒
プリンセス・トヨトミ/万城目 学
¥1,650
Amazon.co.jp
第2位;「太陽の坐る場所」 辻村深月
;エンターテイメント小説;2009年04月02日(木) 21時50分37秒
太陽の坐る場所/辻村 深月
¥1,500
Amazon.co.jp
第3位;「残される者たちへ」 小路幸也
;エンターテイメント小説;2009年04月07日(火) 21時22分26秒
残される者たちへ/小路 幸也
¥1,575
Amazon.co.jp
第4位;「百瀬、こっち向いて。」 中田永一
;エンターテイメント小説;2009年04月30日(木) 21時59分04秒
第5位;「6ステイン」 福井晴敏
;エンターテイメント小説;2009年04月25日(土) 21時27分16秒
第6位;「水銀奇譚」 牧野修
;エンターテイメント小説;2009年04月22日(水) 21時27分40秒
第7位;「クワイエットルームにようこそ」 松尾スズキ
;エンターテイメント小説;2009年04月11日(土) 13時03分04秒
第8位;「筒井康隆コレクション 秒読」 筒井康隆
;エンターテイメント小説;2009年04月20日(月) 22時23分14秒
第9位;「退出ゲーム」 初野晴
;エンターテイメント小説;2009年04月28日(火) 21時36分16秒
第10位;「カラット探偵事務所の事件簿①」 乾くるみ
;エンターテイメント小説;2009年04月16日(木) 21時40分53秒
「百瀬、こっち向いて。」 中田永一 2009-036
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出版元 |
祥伝社 |
初版刊行年月 |
2008/05 |
著者/編者 |
中田永一 |
総評 |
22点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:4点 読了感:4点 ぐいぐい:4点 キャラ立ち:3点 意外性:3点 装丁:4点 |
あらすじ |
恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』にて大絶賛された中田永一、満を持しての単行本デビュー!クラスの中で最も「人間レベル」が低い“僕”は、いわば教室の障害物のようなものだった。いつもできるだけひっそりと気配を消している僕は、このまま女の子と手を繋ぐこともなく、生涯を終えるのだろう…と思っていたが、とあるきっかけで日常ががらりと変わることに。僕の尊敬する先輩で、学校中の人気者である宮崎瞬先輩…かつては瞬兄ちゃんと呼んでいたが、今はとてもそんなに気安く呼べない…から、ひとつの頼み事をされる。宮崎先輩とつきあっているこれまた美人の神林先輩が、宮崎先輩に憧れている後輩の百瀬陽との仲を疑っている、ついては僕にその百瀬とつき合っているふりをしてくれないか…ということだった。女の子とろくに会話すらしたことのないこの僕が、百瀬のような美少女とつきあうふりができるのだろうか? こうして二人の擬装された学園生活が始まった。…しかしそうやってお互い徐々に距離が近づくうち、僕の中に、初めて知った息苦しい感情が芽生え出す。僕は自分にこういい聞かせる。おまえの気持ちは錯覚だ。おまえは演技にのめりこみ過ぎているんだよ。いっしょにいてたのしい、うれしい、といった気持ちを遮断するんだ。この騒動が終わったら、またおまえは一人になるんだからな…。(「百瀬、こっちを向いて」)圧倒的な叙情と奇想! 大型新人が贈る傑作恋愛小説集。 <<Amazonより抜粋>> |
アンソロジーもので初出された3編と書き下ろしの1編を加えた全4編の中短編が所収されています。
で、このアンソロジーもののうち、2冊はすでに既読。
既読なのですが、まったく覚えていなかったので、それなりに楽しめました。
せっかくなので、過去の書評をご紹介しておきます。
【引用開始】
●「百瀬、こっちを向いて。」
「I love you」 伊坂 幸太郎他
「百瀬、こっちをむいて」 中田永一 △
憧れの先輩に頼まれて、先輩の浮気相手と付き合う演技をする「僕」の話。今現在の視点には、しっかりとした主人公がいて、回顧するタイプの作品です。ちゃんと微妙な心理とかも書けていて好感触でしたが、結末がやや弱いかなといった感じ。
●「なみうちぎわ」
「LOVE or LIKE」 作家アンソロジー
特に中田氏の「なみうちぎわ」、植物人間からの5年ぶりの蘇生というシチュエーションは、なかなかよかったですね。
【引用終了】
ま、せっかくなので言っておくと、今回の読後感とあっています。
ということで、残り2編の簡単な感想。
●「キャベツ畑に彼の声」
気に入っている教師が覆面小説家だったら、というシチュエーションの物語です。
オチはしっかりしていますが、主人公が女性であることからちょっと親近感はなかったりしました。
●「小梅が通る」
これも、女性目線の物語。
容姿が良すぎる事で人とのコミュニケーションができず、ブス顔に化粧をして過ごしている高校生に訪れる物語。展開は読めましたけど、それなりに爽快感はありました。
全体を通じて「恋愛小説」というカテゴリに含まれます。
が、それほど「甘くない」ので、良かったのです。
4編に共通しているテーマは「嘘」かもねと思いました。
もう少し言うと、「嘘によって得られる幸せ」とか、そんな感じです。
それにしても覚えていないんだなーと思いました。
「退出ゲーム」 初野晴 2009-035
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出版元 |
角川書店 |
初版刊行年月 |
2008/10 |
著者/編者 |
初野晴 |
総評 |
21点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:3点 読了感:3点 ぐいぐい:4点 キャラ立ち:3点 意外性:4点 装丁:4点 |
あらすじ |
穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励むチカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、校内の難事件に次々と遭遇するはめに―。化学部から盗まれた劇薬の行方を追う「結晶泥棒」、六面全部が白いルービックキューブの謎に迫る「クロスキューブ」、演劇部と吹奏学部の即興劇対決「退出ゲーム」など、高校生ならではの謎と解決が冴える、爽やかな青春ミステリの決定版。<<Amazonより抜粋>> |
あらすじのとおりのシチュエーションで繰り広げられる連作短編集です。
個人的な初野氏の印象は「漆黒の王子 」な感じなのですが、まったく違いました。
あのくろーい感じが欲しかったのですけど、読み始めて、まったく違うことに気がつきました。
まさしく「青春ミステリ」なわけです。決定版がどうかは別として。
ということで、想定外ということですね。
物語は、主人公格のチカとハルタを中心に、物語が1話ずつ進むにつれ、その周辺の登場人物が徐々に主人公格になっていくという流れです。
仲間を増やすRPGのような感じ。
ま、実際の学生生活ってのもこういうもんだったけかなと思ったりしました。
また、興味深かったのは、一貫したテーマは、舞台は「青春」であり、基本は「謎解き」だけども、裏テーマとして「人間模様」が差し込まれている点。
その点については良かったと思います。
個人的にはタイトル作である「退出ゲーム」が気に入りました。
単に「青春もの」ではない何かを感じました。
2009/4/25に借りた本
大雨でした。
で、この記事を書いている日曜日はとても良い天気です。
気温とかも毎日微妙に変化します。
意外に風邪をひきそうです。
皆さんもお気をつけてください。
予約本2冊を含め、7冊の借り出しです。
題名 |
退出ゲーム |
読了可能性 |
★★★★☆ |
出版元 |
角川書店 |
初版刊行年月 |
2008/10 |
著者/編者 |
初野晴 |
読前感想 |
予約本1冊目。たまに読みます。初野氏。めずらしく青春ミステリーとのこと。楽しみです。 |
読後感想リンク |
題名 |
百瀬、こっち向いて。 |
読了可能性 |
★★★★☆ |
出版元 |
祥伝社 |
初版刊行年月 |
2008/05 |
著者/編者 |
中田永一 |
読前感想 |
予約本2冊目。以前読んだアンソロジー本の短編を単行本にしたようです。結構面白かったと思うので、期待大です。 |
読後感想リンク |
題名 |
泣かない女はいない |
読了可能性 |
★★★☆☆ |
出版元 |
河出書房新社 |
初版刊行年月 |
2005/06 |
著者/編者 |
長嶋有 |
読前感想 |
前回の筒井康隆コレクションの解説が気に入ったのでそれだけで借りてみました。図書館利用の利点です。 |
読後感想リンク |
題名 |
滴り落ちる時計たちの波紋 |
読了可能性 |
★★★☆☆ |
出版元 |
文藝春秋 |
初版刊行年月 |
2004/06 |
著者/編者 |
平野啓一郎 |
読前感想 |
こちらは勢いで借りてみました。もしかしたらヒットなのかもしれません。 |
読後感想リンク |
題名 |
償い |
読了可能性 |
★★★☆☆ |
出版元 |
幻冬舎文庫 |
初版刊行年月 |
2001/08 |
著者/編者 |
矢口敦子 |
読前感想 |
出歩き用の文庫本です。こちらも前提知識無しです。 |
読後感想リンク |
題名 |
ぶたぶた |
読了可能性 |
★★★☆☆ |
出版元 |
徳間デュアル文庫 |
初版刊行年月 |
2001/03 |
著者/編者 |
矢崎存美 |
読前感想 |
償いがそこそこ堅そうだったので、もう一冊やわらかめの本を借りました。タイトルだけでチョイスです。 |
読後感想リンク |
題名 |
超要約で世界の哲学を読む |
読了可能性 |
★★☆☆☆ |
出版元 |
PHP研究所 |
初版刊行年月 |
2004/11 |
著者/編者 |
鷲田小彌太 |
読前感想 |
会社用って訳でもないのですが、「超要約」ってのに惹かれました。 |
読後感想リンク |
「6ステイン」 福井晴敏 2009-034
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出版元 |
講談社文庫 |
初版刊行年月 |
2004/11 |
著者/編者 |
福井晴敏 |
総評 |
21点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:4点 読了感:4点 ぐいぐい:3点 キャラ立ち:3点 意外性:4点 装丁:3点 |
あらすじ |
愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、薄明の世界に鮮烈な軌跡を刻む。著者が織り成す切なく熱い人間讃歌、人生を戦うすべての者へ。 <<Amazonより抜粋>> |
デビュー作のようです。
デビュー作とは思えない筆致です。
いわゆる社会構造上に存在する裏社会の物語6編の短編が所収されています。
裏社会といっても、私のような一般人にはまったく想像もできない世界。
いわゆる「工作員」とか「警察補助官」とか、その手の話です。
で、加えてそこに「人間味」が加わり、硬質な「ヒューマンドラマ」をみせてくれます。
意外に知られていませんが、この「6ステイン」の英語タイトルは「traces of six stains」。
訳すと「6つの傷跡」ってことでしょうか?
なるほど、Stain(傷・染み)の物語なわけです。
短編ではありながら、連作の要素も若干あったり物語構成も良かったです。
個人的には最終話の「920を待ちながら」のストーリー展開が秀逸と感じました。
「水銀奇譚」 牧野修 2009-033
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出版元 |
理論社 |
初版刊行年月 |
2007/08 |
著者/編者 |
牧野修 |
総評 |
21点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:4点 読了感:3点 ぐいぐい:4点 キャラ立ち:3点 意外性:4点 装丁:3点 |
あらすじ |
シンクロナイズド・スイミングに打ち込む香織には、現実の高校生活より、水の中のほうがリアリティがある。肉体をコントロールし、完璧な演技をすることがすべての世界。すべては雨と、連続して発見された溺死体から始まった。死んだのは、香織の小学校時代の教師や友人ばかり。当時の記憶が、鈍い痛みとともによみがえってくる。「選ばれし者」だけが入部できる秘密のクラブ、錬金術やオカルトにくわしい美少年の謎の失踪…。やがて、香織の身にも奇妙な出来事が次々と襲いかかる。鋭利な言葉と奇抜な発想で異世界を構築する牧野修がはなつ青春ホラー・ミステリー。 <<Amazonより抜粋>> |
あらすじにあるとおり、「青春ホラー・ミステリー」です。
もう少し補足すると「青春ホラー・SF・ミステリー」ですね。
SFだと思わずに読み進めると、ちょっと裏切られるような気がします(実際にそうでした)
ただ、モチーフとしている小学生の頃の「全能感(巻末のあとがきに著者自体が記しています)」ってのは分かりますね。
なんでもできるってことです。
物語は高校生と成長した主人公の物語に並行して、過去の「小学生の頃のオカルト集団」の話が挟みこまれます。
やがて、高校生の主人公の身の回りに起こる様々な事件が、とある過去の事柄に関連していてという物語です。
なんというか、ジュブナイルとも違う文体でありながら、それでいて青臭い(良い意味で)物語ですね。
ただ、大いにSFですから、物語の展開にびっくりしない方が良いでしょう。
冒頭の物語が大いなる伏線ではありますが、正直あれあれと思ってしまいます。
こういう終わり方があるのかという意味で、感心させられたラストもSFと思って読んでいただければ納得するはずです。